最高級のトパーズと言われるインペリアルトパーズとは?その魅力とは?

宝石には様々な種類がありますが、中でも特別な存在感を放つ石があります。それが、インペリアルトパーズです。名前からも高貴な印象を受けるこの宝石は、実際に目にすると、その美しさに心を奪われてしまうでしょう。今回は、そんなインペリアルトパーズの魅力や特徴について、詳しく解説していきます。
インペリアルトパーズの魅力ついて詳しく知り、宝石選びの参考にしてください。

インペリアルトパーズの魅力


インペリアルトパーズは、その鮮やかな色合いと高い透明度で多くの人々に愛されています。ここでは、その名前の由来や宝石としての魅力、色の特徴、石言葉、価値が上がるポイントについて詳しく説明します。

インペリアルトパーズの名前の由来


インペリアルトパーズはトパーズの一種です。トパーズという宝石は、ガーネットやトルマリンなどと同様にカラーバリエーションの豊富な宝石です。
トパーズという名前はトパーズの産出地と言われているトパジオス島が由来と言われています。トパジオスはギリシャ語の「探し求める」という意味がある「topazos(トパゾス)」にもちなんでいるそうです。
ただ由来には諸説あり、サンスクリット語の「火」を表す「tapas(タパズ)」が由来という説もあります。
19世紀のロシアでピンク色のトパーズ原石が発見された際、皇帝に献上されたことから、その経緯を評して「インペリアルトパーズ」と名付けられました。

インペリアルトパーズの宝石としての魅力


インペリアルトパーズは、トパーズの中でも特に希少価値の高い種類です。インペリアルトパーズの色は、シャンパンゴールドから濃いオレンジ、ピンクまでの幅広い範囲を持ちます。その中でも、上品なオレンジが買った色味が、極上のシェリー酒を思わせる色をしていることから、インペリアルトパーズの色味を「シェリーカラー」と表現することもあります。カラーバリエーションの多いトパーズの中でも最も美しいと評価されています。

インペリアルトパーズの石言葉


インペリアルトパーズの石言葉は「友情」「誠実」「潔白」です。特に「友情」という意味には、こんな歴史的事件が関係しています。
18世紀半ばのオーストリア・プロイセンの間で起こり、周辺の国々まで巻き込む大戦争となった七年戦争のさなか、オーストリアのマリー・テレジア(マリー・アントワネットの母)、フランス国王の公妾ポンパドール婦人、ロシアのエリザベート女王という3人の女傑が手を取り合い、「3枚のペチコート作戦」と呼ばれる同盟を結びました。その際にエリザベートが作らせた「ドル―ジバ(友情)の指輪」にインペリアルトパーズが使用されていました。長年の戦争で相対していた国同士を結び付けたという逸話からインペリアルトパーズが「友情」の宝石であると知られるようになりました。

インペリアルトパーズの価値が上がるポイント


インペリアルトパーズの価値は、その色の鮮やかさや透明度、サイズによって決まります。特に、鮮やかな色合いで透明度の高いものは非常に高価です。また、内包物が少なく、カットが美しいものほど価値が高くなります。さらに、大きなサイズのインペリアルトパーズは希少であり、その分価値も高くなります。

インペリアルトパーズの産地


インペリアルトパーズの主な産地は、ロシアやブラジルでしたが、近年、パキスタンやアフガニスタンからも採掘されています。産地によって、色合いや透明度に多少の違いがあります。ブラジル産の石は、鮮やかなオレンジ色が特徴的です。一方、パキスタン産の石は、やや黄色みが強い傾向にあります。しかし、どの産地の石も、インペリアルトパーズならではの美しさを持っています。
日本からもトパーズの産出はありますが、インペリアルトパーズは産出されていません。

インペリアルトパーズの歴史


1801年にフランスの鉱物学者ルネ=ジュスト・アユイによって、トパーズが鉱物学的に分析されました。
このことにより、トパーズが世間に広まりましたが、その中でも産出地が限られていた特に美しいトパーズを特別視していました。19世紀のロシアで算出されたピンク色のトパーズが「インペリアルトパーズ」と名付けられた際は、当時のロシア皇帝がこの宝石を気に入り、自身とその家族のためだけに採掘を命じました。そのため、一般の人々が手にすることはほとんどありませんでした。
20世紀になると、ブラジルでも良質なインペリアルトパーズが発見されました。これにより、少しずつ市場に出回るようになりましたが、現在でも非常に希少な宝石として高い価値を持っています。

鉱物としてのインペリアルトパーズ


インペリアルトパーズは、鉱物学的にはトパーズに分類されます。
インペリアルトパーズは、フッ化アルミニウムシリケート(Al2SiO4(F,OH)2)を主成分とする鉱物です。その硬度はモース硬度で8と比較的高く、ジュエリーとしての耐久性も十分です。また、比重は3.49から3.57で、屈折率は1.60から1.63です。
硬度は高いのですが、一定の方向に割れやすい劈開性があるので、衝撃には体制がありません。
色は、微量に含まれる三価の鉄イオンによるものです。自然の状態では無色ですが、放射線の影響を受けることでオレンジ色を帯びます。この色合いが、インペリアルトパーズの最大の特徴となっています。

誕生石としてのインペリアルトパーズ


インペリアルトパーズは、11月の誕生石の一つとされています。トパーズ全般が11月の誕生石ですが、その中でもインペリアルトパーズは特別な存在感を放っています。太陽のような温かみと気品を兼ね備えた石は、生まれ月を問わず多くの人を魅了するでしょう。

まとめ
インペリアルトパーズは、その希少性と美しさから、多くの人を虜にしてきました。ロシア帝国時代から現代に至るまで、特別な宝石として扱われてきた歴史があります。鮮やかなオレンジ色と輝きを放つ姿は、まさに「宝石の王者」と呼ぶにふさわしいでしょう。美しい宝石を探している方は、ぜひインペリアルトパーズを検討してみてください。