プラチナ製品に含まれる「パラジウム」とは?その特徴や用途
プラチナは貴金属の一種で、白金とも呼ばれます。プラチナは高級感や耐久性があり、ジュエリーや工業用途に広く使われています。しかし、プラチナは純度が高いと柔らかくて加工しにくいという欠点があり、他の金属を混ぜて合金にすることが多いのです。その中でもプラチナに最もよく混ぜられる金属が「パラジウム」です。パラジウムはどのような特徴や用途があるのでしょうか。その理由や見分け方、特徴や用途について解説します。
プラチナとパラジウムの関係
プラチナとパラジウムは同じ白色系の金属で、プラチナ族元素と呼ばれるグループに属しています。プラチナ族元素は、プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウムの6種類の金属で構成されています。これらの金属は化学的に似ていて、高温や腐食に強いという特徴があります。プラチナとパラジウムはプラチナ族元素の中でも最も似ていて、密度や融点、硬度などの物理的な性質が近いため、合金にするときにも相性が良く均一に混ざり合います。
プラチナ製品にパラジウムが含まれる理由
プラチナ製品にパラジウムが含まれる理由は、主に2つあります。1つ目は、プラチナの柔らかさを改善するためです。プラチナは純度が高いと柔らかくて加工しにくく、変形や傷がつきやすいという欠点があります。そのため、プラチナ製品には他の金属を混ぜて硬度を上げることが多くおこなわれます。パラジウムはプラチナよりも硬く、プラチナと混ぜるとプラチナの硬度を高めることができます。パラジウムは、プラチナと同じ白色系の金属なので、プラチナの色や光沢を損なわないというメリットがあります。
2つ目は、プラチナのコストを下げるためです。プラチナは非常に希少な金属で、需要が高いため、価格も高くなります。プラチナの量を減らして、パラジウムなどのプラチナよりも安価な金属を増やすことで、コストを抑えることができます。パラジウムはプラチナと同じ白色系の金属なので、プラチナの質感や美しさを損なわないというメリットがあります。
プラチナとパラジウムの刻印の見分け方
プラチナ製品には、プラチナの純度や合金の種類を示す刻印が入っています。プラチナの純度は1000分率で表されます。例えば、Pt900という刻印は、プラチナの含有量が900/1000、つまり90%であることを示します。プラチナとパラジウムの合金には、製品の裏側や側面に以下のような刻印があります。
Pt900 Pd100
(プラチナ900、パラジウム100の合金)
プラチナとパラジウムの合金は、プラチナの純度が高いほど白色に近く柔らかく、プラチナの純度が低いほどやや灰色で硬くなります。これらの色や硬さの違いは、目で見たり、手で触るだけではわかりにくいので、刻印を確認することが大切です。
パラジウムの特徴と用途
パラジウムは、プラチナと同じ白色系の金属で、プラチナ族元素の一種です。パラジウムは、プラチナと同様に、高温や腐食に強いという特徴があります。しかし、パラジウムは、プラチナよりも軽くて硬く、触媒作用や電気伝導性に優れています。パラジウムは、これらの特徴を生かして、様々な用途に使われています。
パラジウムの特徴
パラジウムの特徴は多岐にわたります。まず、白色系の金属であり、プラチナと同じような光沢が特徴的です。プラチナと比較すると、パラジウムは軽くて硬く、高温や腐食に対する強さも持っています。また、優れた触媒性能を持っていて、自動車の排ガス浄化装置や化学工業での触媒として広く使用されています。また、パラジウムは耐腐食性にも優れており、電子機器の接点材料などにも使われています。
パラジウムの用途
パラジウムは、ジュエリー業界や時計業界での使用が有名ですが、それ以外にも様々な用途があります。例えば、自動車の排ガス浄化装置では、パラジウムの触媒作用によって有害な一酸化炭素や窒素酸化物を無害な二酸化炭素や窒素に変えることができます。電子部品や電池の製造にも使われ、空気中の水素と反応して水素を吸収する性質を利用して、水素燃料電池の電極に使用されています。また、腐食に強くアレルギー反応を起こしにくいため、歯科用金属としても使われています。
パラジウムの価値
パラジウムは産出量が少なく、供給国もロシア、南アフリカ、北米のみという希少性の高い金属です。近年は、供給量が現象しており、価格が高騰しており、金やプラチナよりも高値で取引されることもあります。そのため、投資対象としても注目されています。また、都市鉱山からの供給、また宝飾品からの再利用も重要になっています。
まとめ
プラチナ製品に含まれるパラジウムは、プラチナの硬度や耐久性を向上させる重要な役割を果たしています。また、パラジウム自体も優れた触媒性能や耐腐食性を持つ金属であり、自動車の排ガス浄化装置、電子部品、電池、歯科用金属やジュエリーなど、様々な用途に使われています。このように、パラジウムは私たちの生活の様々な場面で重要な役割を果たしている金属です。一方で供給は減少しており、都市鉱山からの再利用も重要になっています。
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